ギヤオイル

ギヤオイル

ギヤオイルのはたらき

ギヤは金属と金属がかみ合うため、歯面には大きな圧力と衝撃がかかります。このため、ギヤオイルは歯面に油膜および特殊被膜を形成して圧力や衝撃を和らげ、ギヤの摩耗、焼き付きを防ぎます。また防錆など歯面を保護するはたらきを持っています。

ギヤオイルの分類

品質で分けるAPI分類と粘度で分けるSEA分類とがあります。

品質分類(API分類)

GL-1からGL-6までの6段階に分けられ、数字が大きくなるほど極圧性などについて品質がよくなります。通常、トランスミッションにはGL-3クラス、ディファレンシャルにはGL-5クラスを使用します。ディファレンシャルの場合、極圧性の低いオイルを使用すると短時間でギヤを損傷するので、特に注意が必要です。また、トランスミッションではあまり極圧性の高いオイルを使用すると非鉄金属やシール材に悪影響を与えることがあります。

種類
GL-6 ハイポイドギヤ用(乗用車・トラック・超過酷運転)
GL-5 ハイポイドギヤ用(乗用車・トラック)
GL-4 ハイポイドギヤ用(フォークリフト)
GL-3 ハイポイドギヤ以外のギヤ用

 

粘度分類(SAE分類)

70Wから250までの各段階に分けられ、70Wが最も粘度が低く、数字が大きくなるに従って粘度が高くなります。負荷や温度などギヤの使用条件に合わせて適正な粘度のものを選択します。

SAE分類 適用例
70W 極寒冷地
75W 極寒冷地
80W 寒冷地のトランスミッション
85W 乗用車・トラック・バスのトランスミッションとデファレンシャル
90
140 酷暑地
250 鉄道車両の減速機

トヨタ OIL&FLUID POCKET CHART’21より

ハイポイドギヤ

マツダ公式ブログより

ピニオンギヤとリングギヤのセットをハイポイドギヤといいます。

デファレンシャルギヤには、食い違い軸の歯車で、高速回転が可能、比較的静かなハイポイドギヤが採用されています。かみあいが非常に複雑で金属接触部は摺動することで噛み合う摺動摩擦です。かみあいで摺動するため、条件によっては摩擦熱により油温が120℃~140℃前後に上昇する場合があります。

ギヤオイルAPIサービス分類

ギヤオイルのSAE粘度番号と適用外気温

[API分類によるオイルグレード]
API分類 油種 適油 自動車での使用箇所
GL-1 直留鉱油
または残査鉱油
低荷重、低速のスーパーギヤ、ヘリカルギヤ、ウォームギヤ及び、べべルギヤに用いられる 自動車の潤滑条件を満足させられないため、全く用いられない
GL-2 油性剤
または油脂類を含む油
速度、荷重のやや過酷な条件下のウォームギヤ及び、その他のギヤ(ハイポイドギヤを除く)に用いられる 自動車の潤滑を満足させられないため、特殊な場合を除いて使用されない
GL-3 硫黄、りんの化合物または亜鉛の化合物のような極圧剤を加えた油 GL-1,GL-2レベルのギヤオイルが不適当な条件下のギヤに用いる(ハイポイドギヤには不適当) トランスミッション、ステアリングギヤ及び条件の緩やかなデファレンシャルギヤ(ハイポイドを除く)に用いる
GL-4 GL-3と同様 ハイポイドギヤ及び極めて過酷な条件下の他のギヤに用いる。高速低トルク、低速高トルクにも耐える デファレンシャルギヤ、トランスミッション及びステアリングギヤに用いる
GL-5 GL-3と同様 GL-4よりも過酷な条件下のハイポイドギヤに用いる。高速低トルク、低速高トルク、高速衝撃荷重に耐える。 特に過酷な条件のデファレンシャルギヤに用いる
GL-6 GL-3と同様 フォードの規格。ESW-M2C105A(特にオフセットの大きなハイポイドギヤに使用)を満足させるもの。 この規格はフォードの規格
API分類:アメリカ石油協会が定めたエンジンオイルの品質分類

 

極圧とは、点または線で接触した部分にかかる摩擦抵抗のこと。 通常の潤滑油膜荷重が増加すると薄くなり、金属同士が接触して摩擦・摩耗が増加することで焼付きを起こす。 この焼付きを避け、油膜の厚さを維持するために、極圧添加剤を使用する。 成分として、有機モリブデン、硫黄などが用いられる。

 

添加剤の配合量

GL-3グレードから耐極圧剤、摩耗防止剤として硫黄、りんなどの化合物を配合し、GL-3からグレードが上がるにつれて、これら極圧添加剤が多く配合されています。そのため、GL-3よりGL-4、GL-4よりGL-5のグレードのギヤオイルは、耐極圧性、摩耗防止性について性能が向上しています。故により過酷な高荷重、摺動力が加わる条件のギヤ、デファレンシャルギヤ(ハイポイドギヤ)においては、GL-4、GL-5等のグレードが指定されています。

GL-5グレードのギヤオイルは、GL-3、GL-4と比較し、極圧耐極圧性、耐摩耗性に優れたオイルであるため、より良い状態で管理するためには、どの箇所においてもGL-5グレードのギヤオイルを入れておけば問題ないように思ってしまうのですが、実際は、グレードが高いオイルを使用すれば良いという具合にはいきません。

 

EP(耐極圧)添加剤の作用機構
長所 短所 代表的な化合物

金属表面反応型EP剤

効果大 化学摩耗スラッジが発生する高温により酸化される(酸化物はオイル劣化や金属劣化の原因となる) 塩素系、リン系
硫黄系添加剤

モリブデンBP株式会社より

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